ようこそ ! ヤマハソアリングクラブのHPへ (どうやって飛ぶの?)
グライダーは前に進むと、主翼には相対気流が当ります。
翼の上面は下面より膨らみが大きくなっていて、この相対気流は下面より長い距離を流れるため速度が早くなります。これにより下面より上面は気圧が低くなります。
これが揚力となり、機体を空中に持ち上げます。
左図のようにグライダーは、若干頭を下げて進んでいます。そうすると揚力は若干前に傾斜した状態で発生します。この揚力と重力の合力がグライダーの前進力となります
前進すると当然空気抵抗があります。これを抗力と呼び、前進力と釣り合って一定の速度で前進します。一方揚力とこの抗力の合力が重力と釣り合って空中に浮いていることができるのです。位置エネルギーを速度に変換しながら飛んでいるのです。
姿勢を制御する三つの翼、それが主翼先端の後縁部にある補助翼:エルロン、水平尾翼の後縁部にある昇降舵:エレベータ、垂直尾翼の後縁部にある方向舵:ラダーです。エルロンは左右の傾きを、エレベータは機首の上下を、ラダーは機首の左右を制御します。
グライダーの操縦桿は、座席中央にあり、左右でエルロン、前後でエレベーターを操作します。つま先にはラダーペダルがあり、ラダーをコントロールします。
計器類もいたってシンプルで、基本は3つ。最上部には最も大事な対気速度計と昇降計、そして右下に気圧高度計が備えられています。
グライダーは「ウインチ」と呼ばれる大きな糸巻き機のようなものから「鋼索=ワイヤ」を左図のように離陸地点まで延ばし、時速110~120km/hほどで曳航することで高度を取ります。
ウインチ上空まで来たらワイヤを離脱し、自由飛行で上昇気流を探します。うまくヒットすれば上昇し滞空することができますが、ヒットしなければ左場周経路を通って着陸します。
(注:航空機で曳航して離陸・高度を取る航空機曳航もありますが、浜北はウインチのみです。)
しかしエンジンなどの動力を持たないグライダーは常に下向きにしか飛行できないのに、何故上昇できるのでしょうか?
その原理は、いたずら小僧が上りのエスカレーターを自分で降りているのと同じ原理です。
例えばエスカレーターが毎秒3mで上っている時、いたずら小僧は毎秒1mでしか降りて行けません。傍らで見ている親には、一生懸命降りようとしているのに、体は上へ持って行かれている姿が見えていることでしょう。この時いたずら小僧は毎秒2mで上昇しています。これがグライダーが上昇できる仕組みです。
上昇気流という大きな空気の塊の中を、実はグライダーはゆっくり降りているのです。しかし相対的に上昇していて最初にいた高度よりも高く上昇できる訳です。空気の力って凄いですね!